ランニングの腕の振り方|最新研究から分かる「速く・楽に・ケガを減らす」コツ
ランニング中、つい脚ばかり意識してしまいがちですが、実は腕振りは“姿勢と効率”を支える重要な要素です。
近年の研究では、腕振りは単なる「バランス取り」ではなく、体幹の回旋(ねじれ)を抑え、エネルギー効率を高める可能性が示されています。 (PMC)
本記事では、最新の研究をもとに、ランニングの腕振りを「何のために」「どうやると良いか」を分かりやすく解説いたします。
1. 腕振りは何のため?研究で分かってきた役割
腕振りは「上半身のねじれを抑える」
ランニングでは脚が大きく振られるため、放っておくと体は左右に回ろうとします。
腕を振ることで、その回転を打ち消し、体幹がブレにくくなると考えられています。 (PMC)
腕振りは「結果的に省エネ」になりうる
2025年の研究では、腕を能動的に振ることで上半身回旋が減り、全体の代謝コスト(エネルギー消費)が下がる可能性が示されています(腕自体の筋活動は増えても、全体としては有利)。 (Springer)
2. 腕を振らないとどうなる?(やってはいけない例の根拠)
腕を抑えると、体のどこかが代償します
腕振りを制限すると、体幹の回旋が増えるなど、他の部位が代わりに頑張ってバランスを取ろうとします。 (SMU)
さらに、片腕を固定する条件では、下肢の動き(股関節・膝など)に変化が出て、ケガのリスクと関連しうる動きが増えることも報告されています。 (PubMed)
3. 正しい腕振りの基本(結論:前より“後ろ”が大事です)
腕振りは「前に大きく振る」より、肘を後ろに引く意識が基本になります。
フォームの目安(チェックポイント)
- 肘は約80〜100度に軽く曲げる(固定しすぎない)
- 肩の力は抜く(すくめない)
- 腕は体の横で振る(身体の前でクロスしすぎない)
- 手は軽く(握りこぶしを作らず、卵を持つように)
※ここで狙っているのは、腕の見た目ではなく、体幹のねじれを減らして推進を邪魔しないことです。 (PMC)
4. 腕振りで「疲れにくくなる」実践テクニック
疲れてきたら「腕を小さく速く」
レース後半やロング走の終盤は、脚が重くなりフォームが崩れやすいです。
そのときは、腕を大きく振るよりも、
- 腕振りをコンパクトに
- リズム(ピッチ)を保つ
この方向が安定しやすいです。
(腕の振りが乱れると、体幹の回旋が増えやすく、余計に疲れます。) (PMC)
5. ペース別:腕振りの使い分け
ジョグ(楽な強度)
- 小さく、脱力
- 肘は後ろに引く程度でOK
ペース走〜マラソンペース
- リズム一定(左右差を減らす)
- 肘を後ろへ引く意識を少し強める
インターバル・坂・スパート
- 腕振りは“推進のスイッチ”
- 前に振るより、後ろに素早く引く(体が前へ進みやすくなります)
6. よくあるNG例(多い順)
- 肩に力が入っている(すくむ)
- 腕が体の前でクロスしすぎる(ねじれが増える)
- 手を強く握る(前腕〜肩が固まる)
- 左右差が大きい(片側だけ振る等) → 下肢にも影響が出うる報告あり (PubMed)
7. 今日からできる“腕振りドリル”2つ
ドリル①「肘引きウォーク」30秒×2
背筋を伸ばして歩きながら、肘を軽く後ろへ引きます。
肩が上がらない範囲で行ってください。
ドリル②「壁前ラン」20秒×2(その場足踏みでもOK)
壁の前に立ち、腕が前に出すぎないように小さく振ります。
体の前でクロスしない感覚がつかみやすいです。
まとめ
ランニングの腕振りは、見た目を整えるためではなく、
- 体幹のねじれを抑える
- フォームを安定させる
- 結果的に省エネにつながる可能性がある
という意味で、とても重要です。 (Springer)
まずは「肩の力を抜く」「肘を後ろへ引く」「コンパクトにリズム」を意識してみてください。



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